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稲船敬二(いなふね けいじ) 「ロックマン」シリーズ「鬼武者」シリーズ「デッドライジング」シリーズ等数多くのゲームを産み出してきたゲームクリエイター。


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ソルサクどうでしょう?

とうとう「ソルサク体験版」が配信されて、多くのユーザーに遊んでもらえてるみたいだね。

ユーザーの反応が俺達「開発者」には気になって仕方がないんだけど、ネットを見ている限りでは凄く楽しんでもらえているように思う。

以前からお願いしていた「要望」もいろいろ書き込んでもらっているみたいで嬉しいよ。

スタッフはネット上の書き込みをくまなくチェックして特に多い要望から製品版に反映出来ないかを検討中だよ。

まあ、さすがに大幅な改良や要望全てを反映って訳にはいかないし、制作期間に制限があるから大変だけど、思った以上にユーザーのゲームに対する真剣さが伝わってきて嬉しく思っているよ。

バグレポートもあがっているみたいなんで、こっちも助かる。

俺も早速、体験版をダウンロードして遊んでいるけど、ユーザーの中に紛れ込んでマルチプレイやっているんで、このブログ読んでいる誰かともう「共闘」しているかもよ。

あのとき「生贄」にしたアイツが俺だったかもね。

まあ、本当にスタッフじゃなく、知らない誰かを「生贄」にしたり、「救済」されたりするのって、今までには無かった感覚だと実感するよ。
知らない誰かだからこそ、気を遣ったり遠慮なくあっさり犠牲にしたりするあの気持ちが面白い。

今まではずっと理論上で確信していたが、こうやってユーザーとベータテスト形式で体験版やらしてもらったら、余計に確信したよ。

敵が強ければ強いほど、このゲームは選択を迫られ心が動く要素が大きくなり、勝つために躊躇いは禁物になってくる。
助けたい気持ちが強ければ強いほど、救済ではなく生贄を選ばざるを得なくなったり、自分だけが生き残った状態では瀕死の友を生贄にして最後の望みに賭けてみたりと、バトルの中にドラマが生まれることも多いと思うよ。

ただ敵を倒して何かを得るだけでは、この感覚は絶対に得られない。

まだまだ体験版ということで、荒削りな部分は多いかもしれないけど、出来る限りユーザーの気持ちを反映したものにするために、スタッフはきっと何かを犠牲にしてギリギリまで作り続けると思う。

本当に今回のこの「ソウルサクリファイス」は、いろんな代償を支払ってここまで来れた作品だ。

たった2年。 これだけは何と言われても自慢出来る部分だ。 2年間で作れる作品のレベルは大きく超えていると思うよ。 目標よりは3カ月ほど遅れたけど、スタッフは本当によく頑張ったと思う。

あと、ソニーって会社のクオリティーへの拘りもこのゲームには有難かった。

普通の会社なら、ある程度出来あがっていたら発売日優先でまとめ上げることになるはず。

ソルサクは更にクオリティーアップを命ぜられ、3か月の猶予を頂けた。
クリエイターにとってこんな幸せなことはないと思う。
クリエイターの我がままで延期させてもらったのではなく、会社としてクオリティーアップを重要視し、目先の売り上げよりもその先の大きな利益を見ることで延期出来るなんて本当に素晴らしいと思う。

そんなソニーの期待を裏切る訳にはいかない。
必ずユーザーから支持され、VITAを代表するような作品にして、ソニーを代表するような作品にまで育てられるようにしなければならない。

ハードルはどんどん上がっていくけど、俺は高いハードルを越えることが大好きなんで、今回もいっぱいハードルを上げながらここまで来たよ。

3月発売に向け、今度は売上というハードルをいっぱい上げて、ソニーに利益をもたらしたいよ。

ハードを引っ張り、ハードごとこの「ソルサク」が売れるように気を抜かず頑張っていくよ。

ユーザーと一緒に「ソルサク」を育てられればハードルなんてきっと低く感じるはずだよね。
もう少しだけ俺達「ソルサク開発チーム」のために力を貸してくださいね、体験版を遊びつくしているスタッフ。

きっとみんなで良いゲームが作れるから。 あともうひと息だ。
# by INAFKING | 2012-12-23 22:00

ソルサク体験版の見どころ

ソウルサクリファイスの体験版が今月20日と決まり、あと一週間。

期待してくれているユーザーたちにもう少しで届けられる。

でも、一番この体験版を期待しているのは、俺だったりするけどね。

待ちに待ったコンシューマのタイトル。 2年間の想いの詰まったタイトルなんでね。
ユーザーの手に渡り、プレイしてもらえる喜びは本当に言葉に出来ない。


で、今日は、この体験版の見どころ感じどころを稲船が特別に教えちゃおう。

今回のソウルサクリファイスの素晴らしい点はいくつもあるけど、ここに注目して欲しい。


まず第一に「音楽」

みんなバトルシステムばかりに注目しているようだが、それは当然新しいし、爽快だし、やり応えタップリだ。
しかし、そのバトルを盛り上げるのは「音楽」

携帯ゲーム機のVITAなんで、ついつい音には注目しずらいかも知れないけど、この作品は音楽が耳に残る。 ヘッドセットでのプレイが必須かもって感じだ。
とにかく壮大で素晴らしい音楽がこの世界観をより際立たせてくれている。

俺、最初に音楽の入ったロムでプレイした時は鳥肌が立ったよ。

今までで関わったゲーム音楽で大好きなのが「ロックマン2」と「鬼武者」なんだけど、この2作品を超えたかもしれない。
ゲーム音楽と言うには豪華すぎるようにも思うよ。

なので、体験版をプレイするみんなは是非「音楽」に注目して欲しい。


次に「ストーリー」

魔物を倒してプレイヤーを強くしていくゲームだと思っていたら大間違い。
いや、間違っていないが、それだけにはとどまらない。

救済するのか?生贄にするのか?なんてどっちの方が有利だの不利だの機械的に決めることの出来ないほどの深いストーリーが語られる。

バトルがしたくて新しいステージを目指すのではなく、ストーリーの先が知りたくてバトルに挑んで行く自分にみんなは気付くだろう。
ただのお飾りの物語が語られていくようなゲームではない。

今回の体験版のストーリーは、はかなく、物悲しく、重苦しいのもだけど、決して後味の悪いものではない。

このゲームのコンセプトが明確に提示できているストーリー。

このシナリオを書いたディレクターの大きな才能を実感してもらえるものだから期待していて欲しい。


その次が「バトル」だ。

いうまでもなくバトルは、魔法使い全開で、スピード感も破壊力も半端なく表現がなされている。
とにかくストレスの感じない動きと豪華なエフェクトによる効果が絶大だ。

まあ、あくまで供物を犠牲に魔法を使うから供物は大切に使え。
気持ちいいからってガンガン攻めてたら、供物は直ぐに無くなってしまうからね。

あまり体験版の配信前に余計な情報があり過ぎるのも混乱するから、このあたりにしておくけど、とにかく体験版ってレベルはとうに超えているから、遊びつくして3月7日の発売に備えて欲しい。

セーブデータ引き継ぎなどもあり、無駄は一切ないんで、遠慮なくやり込んで欲しいと思うよ。

マルチプレイも楽しいけど、シングルプレイでもハマってもらえると信じているよ。

あと一週間。 ワクワクどきどき、本当に楽しみで仕方ない。

で、体験版をプレイしたみんなは、忘れずに意見を寄せて欲しい。 制作期間は残り少ないけど、反映出来ることはとにかく反映させられるよう努力するんで、良いも悪いも意見をよろしく。

VITAタイトルで、とうとう 「来た!」 と呼べる作品になっていると俺たちスタッフは信じてます。

是非楽しみにしていてください。
# by INAFKING | 2012-12-13 22:56

ソルサク発売日決定

ソウルサクリファイスの発売日が発表された。

13年3月7日。

あぁ、嬉しい。 あぁ、なんとも言えない感激があるよ。

まあ、まだ制作途中なんで全く気は抜けないんだけど、発売日のアナウンスってやつは「覚悟」なんで、この日に向けて突き進むのみ。

たぶんと言うか絶対大丈夫な日程です。

年内の「体験版」も決定なんで、もう少し待ってね。

カプコンを退社して2年。 いろいろ大変だったけど、とっても良いタイトルが出来たよ。

なんのトリックも使わず、2年以内に新規タイトルを立ち上げ、作り上げた。
ソルサクに関わった全てのスタッフと俺自身を褒めてあげたい。

良い作品を作ることは本当に難しい。 しかも限られた時間にそれをやってのけるのももっと難しい。

大きな会社になればなるほど時間の感覚がマヒして制作に時間をかけ過ぎる。
早かろう悪かろうがゲーム制作の常識みたいなとこがある。

でも最近は、遅かろう悪かろうも多いからね。

独立後の目標のひとつ、とにかくスピードを重視。

ソルサクはスピードとクオリティの両方を求めて作った。

マーベラスAQLのメンバーの優秀さに驚いた。
無茶な要求に応えて、どんどん前に進んだ。 スピードもクオリティも素晴らしかった。

今までの制作感覚では不可能なスケジュールにも立ち向かってくれた。

とても真面目なスタッフが集まってくれたよ。

3月7日。 まだまだ先のように思えるが、きっと年が明けると直ぐそこなんだよね。

このゲームに触れてくれる人の反応が楽しみで仕方ないよ。
初めてプレイした人の評判は社内では上々。 とても良い反応を示してくれる。

一番厳しい一般ユーザーの反応が「体験版」を通して聞けるのが本当に楽しみ。

新感覚のゲームプレイと、ストーリーの重厚さにも期待してほしいと思っているんだ。

ただの「狩りゲー」だと思ってる人は、良い意味で期待を裏切られて欲しいと思う。

どこかやり慣れた、全く新しいゲームだという感覚を楽しんで欲しいよ。

3月7日までもうしばらく待っていてください。年内配信の体験版を楽しみながらね。
# by INAFKING | 2012-12-03 22:52

ゲーム制作の醍醐味

ゲーム制作ってのは、発案時期と終盤がメチャメチャ面白い。

どんなゲームにしようかと妄想し、ディレクターや企画、デザイナー、プログラマーと様々な職種の人間にアイデアや設定を投げかけ、打ち返してくるアイデアをまた投げ返す。
どんどんと雪だるま式に膨れ上がった「新しい発想のゲーム」を妄想の中で作っている瞬間が本当に好きだ。

しかし、あくまで企画段階でしかないので、そんな「アイデア玉手箱」みたいな企画も制作の中でどんどんと角っこが削れて丸くなり、普通の企画になり下がっていく。

そこからが苦悩の始まり。 出来ること出来ないことがハッキリとして、制作時間とも戦わなければならなくなる。
ハッキリ言ってここからの時間がスタッフとも戦いになる。

よく言われる「モチベーションの維持」ってやつが大事になってくる時期でもある。

「コンセプト」とは最初の妄想企画の中に必ずあるもの。
コンセプトが面白ければ、スタッフからいろんな意見が飛び交い、いろんなアイデアが重ね合わされる。
コンセプトが無かったり、コンセプトがつまらなかったら、スタッフから出る意見やアイデアが散漫になり、まとめることが大変困難になるものだ。

コンセプトを守りつつ、スタッフのモチベーションを維持し、普通になりがちな企画を制限の中で極力尖らせる。
そんな苦しい期間がゲーム制作の8割を占める。

その間は、スタッフが一生懸命ゲーム制作していても途中のものはユーザーも目にも触れないし、ユーザーからは何もしてないように思われてしまっている時期でもある。

しかし、ゲーム作りとはそんなものだ。
特に最近のゲームは3年も4年も作っているものも少なくはないからね。
そう考えると2、3年も苦しい制作の時期ってことになるかな。

でも、終盤の何カ月かは、商品としてプロモーションも始まり、ユーザーの期待なんかも耳に入ってくるから、ワクワク感というか、ユーザーが期待するのと同じような「期待感」が制作にも出てくるよ。

もちろんゲーム作ったことのある人は分かるだろうが、ゲーム制作終盤の物理的辛さってのも半端ないものだが、そんな辛い時ほど「期待感」のあるゲームを制作出来ることは励みになるものだ。

モチベーションってやつは、作ってるゲームが面白いって実感出来ることが一番のモチベーションになるはずだからね。

俺たちも、そのゲーム終盤に差し掛かっているタイトルがいくつかある。

過去のゲーム作り同様に今回もワクワクしていて、とても楽しい。
スタッフが必死でクオリティを上げる努力をしてくれているのがひしひしと伝わってくる。
駄目なゲームだと諦め感みたいなものに包まれたりするが、全くそれがないので嬉しい。

初めてディベロッパーとして仕事をしたけど、パブリッシャーとも上手くリレーションが取れている感じも心地良い。 パートナーシップって感覚がちゃんとあるし、お互いに進むべき方向が同じだと感じられる。

情報の時期や、発売日、仕込むべき仕掛け等の話も順調に進んでるよ。

独立後、俺たちが始めて作ったコンシューマタイトルのリリースがどんどん秒読み態勢に入っていく。

大きな会社に何十年もいたら、そんな「喜び」の感覚はとっくに失われてしまっていただろう。

俺たちが生み出し、苦労を重ね、そして世の中のゲームファンに問うそんなゲームがどんどんと仕上げに向かっている。
やっぱ、終盤のワクワク感は半端ない。

まあ、まだまだ調整いっぱいあるけど、未調整の状態をプレイしても 「すげえオモロイ」 よ。

本当に良いスタッフに恵まれたと思う。 感謝しても感謝しても足りないなホント。

稲船だけでは決して出来なかったゲーム。 そして稲船がいなければ決して生まれなかったゲームがここにあるよ。 俺がいつも目指しているものだ。

「ソウルサクリファイス」 順調に終盤の制作中。
# by INAFKING | 2012-11-07 22:04

情熱を保て!

先日、「稲船塾」第二期が終了した。

週一回の授業で約4カ月。 塾生15人は、まあ良く頑張った。

思いつきというか、やらなくてはと思い始まった「稲船塾」だけど、すごく俺自身の勉強になってるよ。

人に教えること、人に学ぶこと、人に想いを伝えること、人に何かを与えること。
いろんなことが「稲船塾」を通じて実感出来る。

ハッキリ言って俺には、この「塾」で直接得られるリターンはない。
「お金」とか「労力」とかそんな意味でね。

でも、そんなものよりもっともっと大きな「収穫」があって、「塾」を始めて本当に良かったと思っている。

生徒たちの「真剣な目」と「希望に満ちたエネルギー」は見ている人間にしか決してわからない。
考え方は甘いし、出来ることも限られている、未熟な生徒たちだけど、彼らには「熱」があるよ。

「情熱」を燃やす力と夢と希望がある。

長くゲーム業界にいると、その「熱」を感じなくなって来る。
確かに会社に入る前には、ほぼ全員が持っていたはずなのに、2,3年もしたら大半は無くなっている。

だから「熱」を持ち続ける人は、その中では確実に浮く。

「稲船塾」の話をすると、いろんな人から苦笑を浮かべられて

「稲船さんって凄いなぁ、大変でしょ?忙しいのに。 いやぁ、僕には出来ないな。」

みたいなことを言われることが多い。

翻訳すると

「お金にもならないものに時間を使って、意味がないな。 俺なら絶対にやらない。」

こんな感じかな。

「情熱」ってお金のためにやるんじゃないんだよな。
もしお金のためなら、それは「情熱」ではなく「強欲」だと思うよ。

まあ、人それぞれの考え方があるから、みんながみんな「先生」をしろとか「情熱」を持てなんて言わないけど、「人に伝えること」を意識した方がいいかもね。

最近は情報が複雑すぎて、人から学ぶよりはインターネットに聞く方が正確って時代になってるよな。
だから、学ぶ側も教える側も「意味」ってものが希薄になっている。

本来、情報とは違い、「情熱」「心得」「信念」「想い」そんな「心」に関わることはネットだけでは教われない。

俺たちが知らなきゃいけないことの大半は「情報」ではなく、その中に隠された「意味」の部分だ。
意味を考えずに「情報」のみに囚われると

「俺は得しないことはやらない。」

なんて寂しい人間になってしまい、結局は「得」もしない。

「稲船塾」で学んだ生徒は理解したと思うが、稲船から小手先のテクニックなんて全く教えてもらっていない。
もっと大事な「心構え」について何度も何度も角度を変えながら教わったはず。

きっとこの4カ月の経験が何年か先に「大きな宝物」になって彼らに力を与えてくれると俺は信じているよ。

そして何年か先に俺自身にも「大きな光」となることも信じている。

人と関わり続けて、人に助けられ、人の人生に影響を与え、人に感謝をする。

そんな人生であり続けたいな。


「稲船塾」第三期、さっそく11月からスタートだ。
今度はどんな「熱」をもった生徒が来るか、今から楽しみで仕方がないよ。
# by INAFKING | 2012-10-25 09:55