人気ブログランキング | 話題のタグを見る


稲船敬二(いなふね けいじ) 「ロックマン」シリーズ「鬼武者」シリーズ「デッドライジング」シリーズ等数多くのゲームを産み出してきたゲームクリエイター。


by inafking

LINK









最新の記事

あの頃のゲーム作り再び。
at 2014-01-28 16:55
100万ダウンロードという意外
at 2013-12-17 14:45
ゲームの未来は小さな力から
at 2013-10-04 09:47
プロデューサーの自覚を。
at 2013-06-16 11:08
喰らえ! おっさん☆たまご
at 2013-05-03 17:02

以前の記事

2014年 01月
2013年 12月
2013年 10月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月

カテゴリ

全体
未分類

検索

その他のジャンル

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧

息子の本

先月、「矛盾があるからヒットは生まれる」という本を出させてもらって、周りからいろいろと感想とか反応が伝わってきている。

真面目に書いた本なので、「素っ裸」をさらしたようでかなり恥ずかしいものなんだけど、それでも読んでもらって感想を聞かせてもらえると嬉しい。

毎日のように俺と接している人たちには「驚き」や「発見」は無いんだろうけど、ちょっとしたバイブルっぽく使ってもらえるかもって思っている。

少し稲船を知ってるって人には、なかなか伝えきれていなかった考えや人間性などの補間に使ってもらえるんじゃないかな。

全く稲船を知らないって人には、こんな「当たり前」のことを声高に言う直球な人間がゲーム業界ってとこにもいるのかぐらいに思ってもらえたらって思う。

また、稲船をネット上の発言等で「大嫌い」な人も立ち読みだけでもしてもらえると嬉しいと思います。 それでも大嫌いな時はそれはもう仕方のないことです。


そうそう、先日実家に行った。 まあ自宅から目と鼻の先なんで休みの日によく顔をだすんだけど、オカンから「お前の本、読んだで」と言われた。

俺が本を渡す前にオカンは買って読んでいた。

本の中身に少しオカンのことにも触れていたから、恥ずかしかったけどオカンはどこか嬉しそうだった。
オカンも読むなんて意識が全くなかったから、オカンに読まれたのはちょっと誤算だった。

本の中にも触れているが、オカンは中学校に1日も行ってない。 それどころか小学校5,6年生の授業もまともに受けていない。 戦争という悲劇の犠牲者である。

だからオカンはまともに字が読めない。 漢字は小学校低学年レベルで止まっている。

なのに「息子の本」を悪戦苦闘しながら必死で読んでる姿が想像できた。

「文章も簡単やし、漢字もだいたい前後の言葉でわかったで。」
と明るく話すオカンは本当に嬉しそうだった。

いろんな親孝行もあるけど、これもまた親孝行かと思えた。

お金って物質で恩をかえすことは、もしかすると簡単すぎる行為なのかもしれない。
大事なことだし、大変なことだけど、お金以外で恩を返すことの方が何倍も難しいんだろうな。

オカンを見てていつも思う。
人の接し方、気持ちの伝え方、愛情の与え方、スマートではないが本当に上手い。

戦争での教育のハンディキャップを自分なりに乗り越えて生きている強さなんだろうな。
全てを与えられて、平等が当たり前の世の中には必要のないスキルなのかもしれないけど、そんな世の中だからこそ、オカンから教わった精神は俺には役に立っているようにも思える。

本を書くということで、また沢山の心の財産が出来たよ。

やっぱ、何でもやってみるもんだね。
by INAFKING | 2011-06-08 08:51