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稲船敬二(いなふね けいじ) 「ロックマン」シリーズ「鬼武者」シリーズ「デッドライジング」シリーズ等数多くのゲームを産み出してきたゲームクリエイター。


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at 2014-01-28 16:55
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あの頃のゲーム作り再び。

MIGHTY No.9 の発表から約4か月。

先日、開発元のインティクリエイツからプレアブルビルドが上がってきた。
年末にもファーストプレアブルが上がっていたんだけど、画面上にBECKが出て動かせる程度だったので、プレイイメージはまだ湧かなかった。

今回のビルドは、BECKが自由自在に画面上を駆け抜け、仮セットされた敵を撃破できた。

開発の責任者という立場を忘れてBECKを夢中で操った。

懐かしい。

まだ俺が20代前半のころ、キャラデザインを担当し、ドットでキャラを制作、プログラマーに提出してプログラムが組みあがるの待って、テストプレイ。
思い通りの動きでなければプログラマーと話し合う。
あの感覚に近いものがあった。
しばらく忘れかけていた感覚。
たくさんのスタッフが関わるゲームだと俺のところに回ってくるのはかなり完成度が上がった状態。 イメージ通りかはディレクターとの話し合い時に確認しディレクターにある程度任せてある。
今回はちょっと違う。 もちろんディレクターを立てているが、明確なイメージは俺が一番強いし、俺が考えるマイティが全てだ。 そこにディレクターの意見や個性を混ぜ込む。
もちろんこのプロジェクトに参加してくれているキックスターターの支援者のみんなの意見もね。

素晴らしく出来の良いプレイヤーBECK を動かしていると、いっぱい欲が出る。
もっともっと完成度を高めたい。 もっと新しいアクションを組み込みたい。

作りたいゲームが作れる。 作りたいヒーローを生み出すことが出来る。
とにかくワクワクする。 とにかく楽しい。

いい意味でみんなの期待を裏切る自信がある。
みんなが想像しているゲームの上をいく作品。 みんなが新しさを感じてくれるレトロアクションが作れる。

ゲームらしいゲームの楽しさを忘れてしまっているゲーマーの目を覚ますような作品になればと思っているよ。

これこそが「ザ・アクションゲーム」だという作品目指して頑張ってるよ。

スタッフのモチベーションが高いって、本当に有り難い。
良いゲームが作れる環境が整っているし、俺自身の思い入れも半端ない。

バッカーの期待を裏切る訳にいかないし、キックスターターのプロジェクトとして絶対に成功させ、インディゲームディベロッパーの希望にならなきゃいけないからね。

プレッシャーも半端ないが、本当に楽しい。

あの頃のゲーム作り再び。 良いもんだ。
# by INAFKING | 2014-01-28 16:55

100万ダウンロードという意外

ゲームはゲームでも、スマホアプリのゲームって、作ってて面白いなぁって思う。

何故?

なんか、コンシューマのゲームよりも「予測がつかない」から。

意外過ぎて面白い。

今年の春ごろ、わが 株式会社comcept 初の自社タイトル「おっさん☆たまご」をリリース。
何の宣伝もせず、試しにアイフォン版のみで出した。

みるみるうちにランキングが上がり、ゴールデンウィーク期間中に一時、無料ゲーム部門3位にまで上り詰めた。
意外過ぎて、なにがなんだか。

その後、急きょ制作を決定したアンドロイド版も遅れること2か月強、リリースしたらなかなかの評判で、アイフォン版の改良もあり、順調にダウンロード数を伸ばした。

その後、仕込んでいた「おっさんシリーズ」の「おったまキャメラ」や「つめこめ☆おっさん」も好評で、そのお蔭もあり、「おっさん☆たまご」が

なんと 100万ダウンロード を達成!

やっぱり意外過ぎる。

無料アプリとはいえ、100万人がこのゲームを遊んでくれたかと思うと、じーんとくるね。

俺なんて昔からゲーム作ってるから、「100万本突破」という響きが大好きなんだよね。
ゲームクリエイターの目標であり、夢の数字でもある。 一流の証と言っていいかも。

無料アプリの100万なんて小さいのは分かっているけど、第一関門としては立派な数字だ。

俺たちの自社コンテンツということもあり、この勢いを大切にしていきたいと思う。

「おっさん」になったゲームクリエイターの俺が、「おっさん」でまた新たなるチャレンジに挑むなんて可笑しな構図だが、それもまた意外でよろしい。

100万ダウンロード。 

最高のクリスマスプレゼントが、ちょっと早く、わが comcept に届いたよ。

他のアプリもどんどん俺に意外な一面を見せてほしい。 きっと面白いことがこれからも起こっていくはず。

やっぱゲーム作りは、やめられないね。
# by INAFKING | 2013-12-17 14:45

ゲームの未来は小さな力から

全くブログ更新してなくて駄目だと思いながら放ってたよ。

先日、キックスターターっていうクラウドファンディングで立ち上げたプロジェクトの「マイティNo.9」が400万ドルという驚きの結果でゴールできたよ。
半年くらい前からいろんなジャンルのスタッフたちと入念に準備して進めてきたプロジェクト。
実は表に出ているスタッフだけではなく、親切からいろいろお手伝いしてもらってる人も多くて、ハッキリいってこのプロジェクトはビジネスを全面に出す人が1人でもいたら成り立たない。

「マイティNo.9」は、面白そう、とか、大好き、とか、力になりたい、みたいな気持ちが強い人でないと絶対に参加できない。
まあ、本来のゲーム作りは、こんな気持ちが当たり前なんだらやろうけど、今は完全に絶滅した動機なんだろうね。

日本では馴染の薄いファンドっていう資金調達。
しかもクラウドで普通のユーザーを対象にしたもの。
いくら集められるか、本当に予想出来ないものだったけど、やっぱりやって良かったよ。
もちろん集まったからもあるけど、この調達期間の一ヶ月と準備にかけた数ヶ月は、人生の中でベストに入るくらいの充実感があった。

誰のためにゲームを作るのか?
綺麗事では、みんなクリエイターはユーザーのためなんて言うが、ほとんどが嘘だ。
特に大きな会社では、ユーザーの前に立ちはだかるいろんな要素をクリアしない限りゲーム制作なんて作れないからね。
ゲーム制作の開発費高騰が、クリエイターの自由を完全に奪った。
会社としても、大きなリスクを背負う限り、迷ったり悩んだりするのは当り前、だからと言ってクリエイターを重要視し、クリエイターの才能を信じないで、ろくでもないマーケティングやヒットの傾向なんて分析重視では上手くなんていかない。

クリエイターがお金なんて興味なく、ただ作りたいって気持ちだけで作れていた頃のゲームが、世界中のゲームファンに支持され、日本のゲームが一番輝いていた。
今は、純粋な気持ちでゲームを作っている人はどのくらいいるのか?
ゲームクリエイターも大人になり、結婚もして家族を持ち、純粋な気持ちだけでは生きれなくなったのだと思う。企業の奴隷になることでしか毎月の住宅ローンを払えない現実がある。

悲しいけど、現実は厳しい。
だからと言って作りたいゲーム作りを諦めるくらいならゲームクリエイターと名のるべきではない。
ゲームオペレーターか、ゲーム会社のサラリーマンと名のるべきだ。

作りたいゲーム、それから作ったゲームをユーザーが喜び、熱狂することを夢見るべきだ。
なんだかんだ言っても、自分が作ったゲームを褒められることがゲームクリエイターの最大のエネルギーだ。
絶対に報酬だけではない。

クラウドファンディングでまた昔の純粋なゲーム作りが復活してくれればと願うよ。
大きな企業に属さないインディーのクリエイターたちは、熱い情熱でゲームを作り始めている。
そんな情熱はあるがお金がない人たちに希望を与えるクラウドファンディングは、絶対にゲームの未来を変える力をもっている。
日本でももっともっとメジャーになり、ネット中心にいろんな人の支援でゲームが作れたらって思うよ。

結局、未来を作るのは、国や企業や制度ではなく、個人個人の小さな力の集合体だと思う。

ゲームの未来はユーザー自身が握っていると自覚してもらえたら、ゲームクリエイターは戦えるから。

ユーザーの力を少しづつ貸してください。
# by INAFKING | 2013-10-04 09:47

プロデューサーの自覚を。

E3も終わって、次世代ゲーム機時代がスタートした感じだけど、今までの次世代の意味とは違ったように俺は感じているよ。

コンシューマゲームの進化は今回のハードで大きく変わるように思う。

制作って意味では大きく変わらないとも言えるけど、ユーザーまでの届け方や、ユーザーに感じてもらいたい感情なんかも考えて制作する必要があると思っているんだ。

まあ、難しいこと考えてこんな風に言ってると鼻で笑うユーザーもいるだろうが、今回のハードほど考えずに作るには危険すぎるように思うよ。

次世代機に対してパワー勝負で作れる会社もタイトルも限られている中、パワーに頼らないゲーム作りはほとんどの経営者なら欲していることだと思う。

開発者も難しい要求に応えていかないと、ゲーム制作の道すら閉ざされてしまうので、今まで以上にゲームのプロデュース能力が試されるよ。

ゲームプロデューサーという言葉は1990年代中盤くらいからボチボチと聞かれ始め、2000年を越えてから本格的に職種として認められたように思う。
だから、たかが10年そこら。 プレステ2が全盛時代なんで、ゲーム制作が今ほど難しくはなかった時代。

そんな時代にプロデューサーになった人間は、どれだけの能力をもっているのか試されようとしているよ。

今までにいろんなプロデューサーを見てきたけど、制作を理解し、売り方を理解し、時代を読めるプロデューサーはそう多くはいない。
プロデューサーって意味を問われる時代が来たと真剣に思うよ。

俺もいちプロデューサーとして試されている訳だけど、まあワクワクする。
苦難があるほど燃えるタイプだから、次世代機の苦難はとても有難いし、やりがいがある。

E3のカンファレンスで日本発のタイトルが少なかったことや、日本のゲームメーカーが目立てなかったことは残念だけど、日本は海外のゲームメーカーにはパワー勝負では勝てないと理解し、頭を使うことを覚えるしかないからね。
今まで日本は圧倒的に不利な状況で、力技ではなく、頭を使って「工夫」と言う武器で立ち向かい勝利してきた過去がある。

その先頭に立つのが「プロデューサー」だと思うんだ。

日本のゲームの未来はプロデューサーの肩にかかっている。 そう理解している人間がどれだけいるのか?

今までのように誰かが考え、誰かが工夫することのサポートだけでは次世代のゲームには対応不可能だ。
今までの方程式は崩れ去ったと理解し、新しい方程式を考えなくてはプロデューサーは勤まらない。

E3から、何を学び、どんな方向性を示せるかが、会社から出張に行かせてもらえた意味なんだと思って欲しい。

来年のE3で日本のゲームが目立てるようにお互いに頑張ろう。
# by INAFKING | 2013-06-16 11:08

喰らえ! おっさん☆たまご

ゲーム作りは本当に楽しい。

もともと俺は、ゲームのジャンルやハード、規模なんかに拘りがないから、とにかくいろんなクリエイティブにチャレンジしたいという気持ちでここまで来た。

カプコンから独立後も、いろんなハード、いろんなジャンル、いろんなターゲットに向けてきたし、コンシューマゲームにも拘らず、ソーシャルゲーム、モバイルカジュアルゲームと、やりたいことやってきた。

「ゲーム」って、俺の中では「クリエイティブ」の一部でしかないから、コンテンツを作りだす面白い手段でしかないんだよね。

「ソウルサクリファイス」っていう最高の仕事をコンシューマで出来たし、海外での発売も始まった。

そんな中、今一番俺が注目し、手ごたえを感じているのが、アイフォン用アプリ 「おっさん☆たまご」 だ。

先月、こっそりリリースした、我が comcept と DiNG で共同開発した初のパブリッシングタイトルだ。

今まで制作してきた全てのゲームは、パブリッシャーから制作費を頂いてのものだが、これは自社のリスクで制作し、本当に何のしがらみのなく、好き勝手作ったものだ。

もちろん小規模なタイトルだし、3か月程度で作ったものだから、簡単なゲームだけど結構面白いよ。

「おっさん☆たまご」

なんと、5月3日現在、すべての無料ゲームランキング10位、ファミリーカテゴリーでは1位。「パズドラ」「なめこ」よりもランキング上位につけてるよ。

リリース後たった2週間なんで自慢できないかもしれないけど、まあ良い滑り出しだ。

評価も高くて嬉しいよ。

独立後、拘ったことは、ソーシャルゲームを並行して作り続けるってこと。
いろいろ試行錯誤してきたけど、やるべきこと、やってはいけないことが少しづつ見えてきた気がする。

本当に難しいと思うけど、逃げずにやっていきたいと思っているよ。

今、コンシューマタイトルを作ることと、ソーシャルゲームを作ることは、全くの別物だけど両方とも若い力を使うことがカギになるってことは共通していると思うんだよな。

「ソルサク」も「おったま」も若いディレクターが本当に頑張った。

ゲーム業界では俺もベテラン過ぎて頭も硬くなってるからね。
若い人間の柔らかい頭を理解し、いろんなアイデアを上手く活用しつつ制作していかないと、ズレたものになっちゃうからね。
コンセプターとしてのアドバイスをしっかりしていきながら、どんどん若い力でゲーム作っていくよ。

「おっさん☆たまご」が良いきっかけになって、どんどん面白いアイデアの「ゲーム」が作れるようになれば良いと思う。
そのために、今まで以上に頑張っていくよ。
# by INAFKING | 2013-05-03 17:02