稲船敬二(いなふね けいじ) 「ロックマン」シリーズ「鬼武者」シリーズ「デッドライジング」シリーズ等数多くのゲームを産み出してきたゲームクリエイター。


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ソルサク秘話

「犠牲と代償」そんな刺激的なコンセプトでゲームを考えてみた。

ゲームを考えたというより、稲船自身の「人生観」なんだろうね。

生きていて必ずぶち当たる壁 「覚悟」

なかなか「覚悟」がなくて先に進めないこと多いんじゃない?

楽をしたい。自由が欲しい。お金持ちになりたい。人に好かれたい。褒められたい。

甘い欲望は尽きないもんだ。

しかし、そんな「大きな力」を得たければ「覚悟」は必須。
大きな力には「大きな代償」を支払う覚悟が必要。そう、なにを「犠牲」にするかだ。

分かっていてもなかなか簡単には「覚悟」なんて出来はしないよね。

「犠牲や代償」を支払わずに上手く生きる生き方もあるのだろうが、俺はあまり器用じゃないから、そんな生き方を選べない。 というより、選びたくもない。

苦労して得た「力」と、たまたま得た「力」ではその「効果」が全く違うと思うんだ。

カプコンにいた時に払った「代償」と、今「犠牲」にしていることとは全く「質」が違う。

良い悪いではなく、「覚悟」の大きさが桁違いだ。

カプコンを離れること自体が「犠牲」を伴うし、会社を経営するというリスクを持ちながらクリエイティブなことをやることは、無茶といえば無茶だ。

仲間を助けたり、裏切ったり、救済、生贄って何故ゲームにしたかと言うと、カプコンを離れた時に払った「犠牲」から得られた「代償」なんだ。

そんな感情がとても面白いというか、新しい感覚を生み出してくれたように思う。

仕方がなく俺を裏切った人もいたし、俺自身も仕方なく相手を傷つけたこともあった。
状況、環境、心境、いろんな要素が複雑に絡み合って、人を助けるのか、見捨てるのかが決まる。
裏切るとか、相手の性格だってひと言では決められないことも多いんだなって実感したよ。

そんな感覚を「ゲーム」ってものに活かすことが出来ないかって思った。


そんな要素で制作する上で一番拘ったのが「スピード」

プレイヤーがサクサク動くってスピード(大事だけど)じゃなく、制作進行のスピード。
独立後のいろんなインタビューで「スピード重視」って発言をしてきた。

大きく立ちはだかる2メートル級のバスケット選手に「チビ」が勝つには「スピード」しかない。
「スラムダンク」に教えられたことだ。

俺たちcomceptは「チビ」な会社だ。 でも負けるために集まったメンバーなんて一人もいない。
みんな「勝つ」ことしか頭にない。 だからどんなに辛い仕事でも誰一人として「弱音」を吐かない。 とにかくビックリするほどよく働くメンバーが集まった。

まあ、俺もそうだけど、メンバーもそれ相応の「大きな犠牲」を払って俺と仕事しているんだから当たり前かもしれないけど、それにしても「強力な魔法」を使い、瞬間移動並みのスピードで仕事をしてくれる。

会社を立ち上げたのはカプコンを辞めて直ぐだけど、事務所が出来たのが去年の4月だから、メンバーが揃ったのが4月ってことだ。

ちょうど1年。 企画発案からディベロッパーとの交渉、契約と結構時間がかかるものも多い。

「マーベラスAQL」と一緒に出来たことは本当にラッキーだったと思う。
信じてはいたけど、こんなに優秀だとは正直驚いた。 稲船の無茶な要望にとにかく応えようと必死でやってくれた。 スピードも半端ないが、クオリティーの妥協もほとんどなかった。

俺の知らないとこではいろんな苦労もあっただろうが、とにかく耐えてくれた。

彼らも「犠牲」を払ったんだろうね。 そうでなきゃ「魔法」は使えない。

今回のプロジェクトで学んだことは、「信じる」って「覚悟」なんだと思う。

いろんな仕事してきて、このシンプルな「信じる」を出来ない人が多いことに気づく。
普通、信じるってことは、たいてい裏切られるって結論を生みやすい。
と言うより、裏切られることを恐れて「信じる」に覚悟が無くなる。
「信じたフリ」でしかないんだよね。 だから必ず「裏切られる」

このプロジェクトは「信じる」って「覚悟」がなきゃ出来なかった。
みんながその気持ちで「犠牲」を払ってくれたんだと思う。

ソニーの人たちも、我々comceptも、マーベラスAQLも、このプロジェクトに関わった全ての人たちが「信じる覚悟」をしてくれたんだと思う。

まだ発表出来ただけで「結果」は何一つ残せてないが、これからもっともっと良いゲームにしていくためにそれぞれの会社が「共闘」出来る体制は整ったと思う。

ユーザーの人たちが向けてくれている「期待」に必ず応えていけるように頑張っていきたいと思う。

「ソルサク」 今まで以上にスタッフが「犠牲と代償」を支払いながら、素晴らしい作品に仕上げてみせるよ。

期待していてください。
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# by INAFKING | 2012-05-14 23:32

ソウルサクリファイスだ!

とうとう「ソウルサクリファイス」というゲームを発表したよ。

カプコン独立後、一番最初にとりかかったプロジェクト。

ソニーのタイトルとしてプレイステーションVITAでのゲーム。

かなりのスピードでここまでやってこれた。

「犠牲と代償」というコンセプトで作った「ファンタジー」

ありきたりではなく、独自の世界観をもったファンタジーをずっと作りたかった。

マルチプレイを前提にどうすれば面白いコンセプト思いつくか、考えに考えぬいた末たどり着いた答え。

「真実のファンタジー」 残酷なまでの真実をゲームに落とし込んだものがこのゲームだ。

仲間の命も、自分自身の命すらも「犠牲」とし「代償」に差し出せるのか?

勝つということの「覚悟」がどこまで出来ているのか?

そんなゲームを稲船が考える独自の世界観の中で表現してみたかった。

今日、大々的に行われた「発表会」でプレイ動画をプレスの方々と一般の方の一部にお見せすることが出来て本当に嬉しく思っている。

稲船自身もこの一年間、多くの代償を払い、いろんなことを犠牲にしながら必死でこのプロジェクトを進めてきた。
スタッフたちの魂のこもったプロジェクトでもある。

こんな一体感のあるモチベーションの高い仕事は久しぶりだよ。 
本当にみんな良い仕事をしてくれていて凄く良いプロジェクトだと思う。

ネット上でもみんないろんな反応を示してくれているけど、期待してくれていたら良いなって思うよ。

まあ、好き嫌いのでる世界観ではあるから、どうなんだろうね?

それより、ネット上でこの「ソウルサクリファイス」をどう呼べばいいのか迷ってる人も多いように思うんだよね。

あえて稲船から提案しよう。

このゲームは、「ソルサク」と呼んでほしい。

ソウサクではなく、ソルサクが良いと思うんだよね。 ソルサク、ソルサク。

さあ、みんなで「ソルサク」を語ろうぜ!

でも、お手柔らかにね。
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# by INAFKING | 2012-05-10 22:59

誕生日 有難う

5月8日。 47回目の俺の誕生日。

47歳。 ホントええオッサンになったわ。

まあ、気持ちだけは若いから、歳とった実感は薄いんだけどね。

しかし、同年代の普通のサラリーマンと会うと、明らかに俺は何者?って思うよ。
みんなスーツがさまになっていて、落ち着いていると言うか、老けている。

まあ、50前にもなると当たり前だけどね。

ゲーム業界にいると、比較的みんな見た目若くて、俺も違和感がないんだけど、この業界は特別なんだろうね。

きっと「ゲーム」って、若い気持ちを理解し続けなきゃあ考えられないから、精神状態が若くキープされるのかもね。

そうは言っても、実年齢は47歳なんで、体のあちこちにガタがきているよ。

そんな中、東京、大阪、海外、仕事、家庭、趣味、勉強、病院。 そんな毎日の繰り返しで忙しくしているよ。

47年間の間に出会った人の数は十分に自慢できるだけある。
普通の47年間にはきっと出会えないだけの数と内容だったように思う。

とくにサラリーマンクリエイターを辞めた昨年からは1年間とは思えないほどの出会いを経験させてもらった。

年齢を積み重ねるってことは、人と人の繋がりを広げるってことなんだと実感するよ。

まさにソーシャルってやつかな?

歳をとらないと繋がらない関係もあって、自分の思い通りにはならないことも多い。

人の繋がりは、避ければ遮断することも出来るし、「面倒くさい」なんて思うと一気に減ってしまうものだ。
でも、この歳になって強く思うのは、人がいるから自分自身が「存在」出来てるってこと。

47年間、いつも誰かに支えられて生きてきた。
両親は言うまでもないし、先生や友達、先輩、上司、部下、それから家族。
今まで出会ってきた誰一人として無駄な人なんていないんだと思う。

嫌いなやつも、大好きな人も、面倒なやつらも、みんな経験として自分自身を作ってきたんだと思う。

誕生日って自分だけのお祝いだと思ってたけど、そう考えると違ったね。

自分を取り巻く「支えてくれている人たち」に感謝する日でもあるんだよね。

今生きていることは「多くの出会い」のお陰なんだと。

だから、歳を重ねるごとに感謝の数も増して「誕生日」の重要性が増すのかもしれないね。

「歳だから誕生日なんて」など言ってないで、生きていること、そして今まで支えてくれた人々に、今も支えてくれている多くの仲間に感謝することが「誕生日」の意味なんだと思うことだね。

一年に一度、そんな風に「真面目」に考えてみようぜ。

「47歳、有難うございます。」
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# by INAFKING | 2012-05-08 09:38

息子の夢

息子が面白い。

昔から息子が面白くて、いつも注目しているのだが、最近は特に面白い。

自分の好きなことしか全く興味がなく、何にも出来ない。

「オタク」ってことなんだろうなとは思うんだが、興味のあることとなると目の色が変わる。

彼の今の興味は「映画」

中学校の時から友達を集めては「映画」というか「ビデオ」を撮っていた。

そのビデオを編集しては「YOUTUBE」にアップして楽しんでいた。

高校生になり、一時期の熱は冷めていたみたいで、音楽活動「バンド」に夢中になっていた。

しかし、最近急に「映画を撮るわ!」と言い出した。

よく聞くと、息子たちが中学校の時の映画をYOUTUBEで観た「10歳の子供さん」から連絡がきて、お兄ちゃん達と一緒に映画に参加したいと言ってきたらしい。

その子供のお父さんが、うちの息子に大阪に行くから是非子供の夢を叶えて欲しいと言ってきた。

奮起したうちの息子は早速シナリオに取り掛かり、友達に声をかけ、俺から衣装と撮影場所(自宅)を借りて、準備を始めた。

お父さんと子供は、春休みを利用しての来阪(東京から)なんで撮影日が決まってしまっているため準備がかなり慌ただしかった。

シナリオのチェックを頼まれたから出来上がったシナリオを読んで意見を言った。
まあ、自由にさせたいから彼の思いを優先し、つじつま合わせ以外は極力意見は言わなかったが。

高校生がやることなんで、わざわざ来阪してくれたお父さんに迷惑がかからなければ良いと思っていたけど、撮影当日は友達合わせて9人集まって、なんとかシナリオ通りに映画が撮れたみたいだ。

その後、編集作業を行って、音楽を付け、YOUTUBEに無事アップ出来た。

出来た「映画」を観て、親バカとは分かっているが目頭が熱くなった。

「映画」自体のの出来がどうのこうの言うつもりはない。

彼がやったことは、友達と映画を撮った以上に意味のあることだと思う。

「誰かのために」何かをやるって。 俺は何歳で出来ただろう?

よく覚えてないが、きっと30超えてからかな? 下手すると最近かも。

息子はまだ16歳。 誰かの夢を叶えるために「探偵ナイトスクープばり」に頑張って、子供の夢を叶えてあげた。

本人は自分がやりたかったからただの切っ掛けと言うけど、そんな簡単なことではない。

好きなこと以外何もできない息子を知ってるから、好きなことには徹底的に打ち込む姿が逆にカッコ良い。

なんでもかんでも出来る必要なんてないんだよな。

自分がやりたいことが、誰かの役にたったり、誰かに夢を与えられることだとそれほど素晴らしいことはないよな。

息子は、学校の進路指導の先生に将来を語ったようだ。

「大学で映像を学んで、将来はゲームクリエイターになるんだ」と。

16歳でハッキリした目標を持っている息子は侮れないな。 最大のライバルになるかもな。

親父の背中をちゃんと見てくれてることは嬉しくて仕方ないね。

まあ、まだ子供なんていろんなこと考えながら将来を模索すればいいよね。 期待せずに見守っていくよ。
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# by INAFKING | 2012-04-16 12:37

Dr.モモの島 スタート

「Dr.モモの島」

ソーシャルゲーム第一弾で稲船が世に送り出したタイトル。

まあ、思ったより時間がかかったし、苦労がいっぱいだった。

我がスタッフの懸命の努力と、パブリッシャーであるインデックス、サービスをしてくれるGREE、各社スタッフの多大な尽力のお蔭で、iphone版も含めて完全にリリースが完了しました。

スピード勝負だなんて豪語しておきながら結構な時間をくってしまってまことにお恥ずかしいばかりです。

しかしながら、今回の経験は本当に貴重なもので、この産みの苦しみがクリエイティブには最も重要だといつも思っている。

まあ、時間がかかった分、内容には自信があるんで是非一度遊んでみて欲しい。

ゲームという凝り固まった観念を一度なくして遊んでもらえると嬉しいな。

楽しさって、同じ方向から生まれてくるものではなく、全く違った角度から生まれるものもあると思うんだ。

今回の「Dr.モモの島」がそんな違った方向からユーザーに訴えかけられていれば良いなと思っているよ。
まだまだ試行錯誤ではあるが、最初の一矢としてはいい感じゃないかな。

まあ、二矢、三矢と間髪入れずにどんどん新しいソーシャルをサービスしていこうと思っているからね。

今後の稲船ソーシャルにも期待してくれたら嬉しいな。
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# by INAFKING | 2012-04-01 19:23